UMLって何?

-コミュニケーションツールとしてのUMLを中心に-


式見 彰浩
株式会社セブンスディメンジョンデザイン 開発部




近年システム開発の際にモデルを表現するための言語(モデリング言語)であるUML(Unified Modeling Language)が注目されています。

モデルを辞書で引くと
「事象の構造を抽象して論理的に形式化したもの。予想・発見の機能をもち、作業仮説の創出を促すので、科学方法論的に有益。」
と定義されています。このようなモデルの作成、分析により、事柄や問題を明確にし、的確に理解できるようになります。その結果

・現在の構造、状態の把握
・理想的な構造、状態の表現
・問題点(=理想と現実の差)の把握

を的確に行えるようになり、これらの理解の共有も容易になります。一般的なモデルの例としては「設計図」、「模型」、「ビジネスモデル」などがあります。

システム開発では要求定義から分析設計実装にいたる間、エンドユーザ、設計者、プログラマ等の間で適切なコミュニケーションをとることが、非常に重要な成功要因となります。このようなコミュニケーションを円滑に行うために全員がモデルを共有することは必要不可欠です。本チュートリアルではモデルの共有を促進するための共通言語であるUMLを解説します。まず、UMLの基礎、UMLの必要性など基本的な部分を解説します。その後、UMLの各ダイアグラムを医療システム開発への応用を交えながら、特に要求分析段階でのUMLの使用に重点をおいて解説します。
また、UMLをシステム開発の際どのように適用するかも重要になります。そこで、システム開発を行う際の開発プロセスと、UMLとの関係についても随時解説していきます。