EHRを意味のあるものにするためには、EMRから十分なデータの提供が必須である。しかし、現在日本でインストールされているEMRの大部分は、電子カルテとは名ばかりで、本体の機能は実質的にはオーダーエントリーシステム程度(病名、処方、検体検査結果)であり、病歴上重要な報告書などは、大部分が別ベンダーのサブシステムで管理されている。見かけ上一元化されているが、EHRへ構造化データを集約するためには様々な技術的・経済的制約が潜在する。 また、B2Bを目的とした診療情報連携(共有)が普及の兆しを見せているが、EHR(生涯カルテ)というには余りにも不十分なシステムでもあり、その位置づけを含めて検討を要する。 現状と今後の対策を議論する。