長崎県におけるICTを使った地域連携の価値 あじさいネットワークの取り組み

長崎県におけるICTを使った地域連携の価値
あじさいネットワークの取り組み

長崎大学病院 医療情報部 
准教授 松本 武浩


長崎県のITを使った地域連携システム「あじさいネットワーク」は、今年で9年目を迎える。当初、1病院の電子カルテを30診療所で共有する仕組みで始まったが、年々規模を拡大し、今では県南(長崎市)地区10病院、県央地区(大村・諫早市)4病院、県北(佐世保市)地区4病院、離島地区2病院、計20病院の診療情報が約180の医療機関において共有され、ほぼ全県下での利用が可能である。病診連携、薬局連携、在宅医療にて利用されているが、本年度よりセキュアな本ネットワーク基盤を利用した新たなサービスがスタートする。救急医療支援のための「離島・救急医療画像診断支援システム」、新生児死亡率減少を目指す「周産期・小児発育支援システム」、医療教育の充実を狙った「医療版オンデマンドビデオライブラリ」、「カンファランス中継システム」および「あじさいネットTV会議システム」、ネットワークを使った超専門診断による高品質診断を目指す「高品質遠隔画像診断システム」などである。これまでの取り組みと新たな機能を通して本ネットワークの価値と課題、今後の展開について報告する。